Wing of Sophiaa
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> <FONT FACE="メイリオ"> > 「スワン」というのは、英語だと、swan で、白鳥のことである。ドイ > ツ語では、Schwan というような言葉だったと思う。「シュヴァーン」 > であるが、発音における音韻変化の結果で、基本的には同じ言葉が元に > なっている。ラテン語では、キュグヌス(cygnus)だったと思う。フラ > ンス語の単語は、ラテン語から来ており、英語で、シグネットという単 > 語があるが、これはキュグヌスに指称辞の -ett が付いた形である。 > > (と思ったが、調べて見ると、ラテン語では、別の単語が出てくる。し > かし、Cygnus で白鳥座である。ギリシア語のキュクノス(kyknos)が > ラテン語化したのか、ラテン語にも、同じ語根の言葉があったと思える。 > ラテン語では、olor という言葉が出て来て、あまり聞いたことがない > ので、意味を調べると、「におい」という意味だそうである。よく分か > らないので、wiktionary で調べて見ると、古代のラテン語では、olor > は白鳥で、後期ラテン語・通俗ラテン語では、「におい」の意味になる > ようで、odor の変形で、こういう意味が出て来たのだという)。 > > それは、横道の話で、本題の話はもっと簡単である。フランシス・バー > ネットという女流作家に、日本語訳の定番タイトルで『小公子』『小公 > 女』と訳される物語がある。それぞれの英語での原題は、Little Lord > Fauntleroy が「小公子」で、Little Princess が「小公女」である。 > Lord Fauntleroy は「フォントルロイ卿」で、「小さなフォントルロイ > 卿」というのが原題の意味である。「小公女」は、文字通り、「小さな > プリンセス」なので、「小公女」になる。フォントルロイ卿というのは、 > セドリック・エロルが継承した貴族の爵位称号であるが、多分、これは > 子爵位である。ドリンコート伯爵家の筆頭継承者がこの爵位を名乗ると > 云うことは、ドリンコート家がフォントルロイ子爵位を持っているとい > うことである。 > > (イギリスの貴族の場合、男爵家は別だが、子爵、伯爵、侯爵、公爵な > どの爵位を持つ家は、普通、二つか三つか、それ以上の爵位を同時に持っ > ている。婚姻関係を通じて、爵位が集まって来る場合があるが、その前 > に、王族公爵以外は、普通、下から段々と上に上がって行く。軍人や政 > 治家で功績があると、まずナイト爵位が授けられ、更に功績があると、 > 男爵が授けられ、更に功績があると、子爵が授けられ……と、順番に上 > 位の爵位になって行く。イギリスの爵位は、日本の明治維新後の華族の > 爵位とは違い、ある「家・個人」に爵位が授けられるのではなく、例え > ば「グレイ伯爵」という伯爵位だと、こういう名前の「伯爵位」を創立 > し、新しい爵位を、ある功績のあった人物に授ける。「爵位」というの > は、形のない一種の財産のようなもので、ある人物が授かった爵位は、 > その財産と共に、継承者に受け継がれる。ある人物がいて、功績があっ > たので、プライム男爵という爵位を授けられると、その人は、プライム > 男爵になるが、更に功績があったので、セクンダ子爵を授けられた場合、 > この人は、セクンダ子爵兼プライム男爵というのが実は正しい。更に功 > 績があって、トリニト伯爵を授けられると、トリニト伯爵兼セクンダ子 > 爵兼プライム男爵になる。一番高い爵位で、その人は呼ばれるが、トリ > ニト伯爵家は、トリニト伯爵位の他に、セクンダ子爵位、プライム男爵 > 位を持っている。男爵から子爵に昇進し、子爵から伯爵に昇進しても、 > 過去に授けられた男爵位や子爵位はなくならない。一般に、爵位の継承 > 者、通常、長子が、二番目の爵位を名乗る。つまり『小公子』の場合、 > ドリンコート伯爵家は、フォントルロイ子爵位を持っていて、継承者で > あるセドリックが、この爵位を名乗って、フォントルロイ子爵となって > いる)。 > > 横道の話だと云いながら、ますます横道に逸れて行く。これは「スワン」 > についての話である。 > > フランシス・バーネットの『小公女』を、何十年振りか、十年振りか、 > 久し振りに読み返してみると、(後半三分の一ぐらいであるが)、バー > ネットは話の造り方が天才的に上手だとつくづく思った。どことなく、 > 道徳説教的な雰囲気があるが、こういう書き方や話になって仕方ない時 > 代背景があるのだろう。 > > それはとまれ、訳者解説を読んでいると、作者は、フランシス・エリー > ザ・ホジスン・バーネット(Frances Eliza Hodgson Burnett)だとあ > る。男性の Francis と、女性の Frances を区別するため、わたしだと、 > フランセス・バーネットとカタカナで書くが、それはともかく、ミドル > ネームが二つあるので、珍しいとも思ったが、解説を読んで行くと、元 > 々の名前は、フランセス・エリーザ・ホジスンで、スワン・バーネット > という医者と結婚して、姓がバーネットに変わった。彼女は、スワン・ > バーネットと別れて、元のホジスンに帰ったが、そのまま、バーネット > いう姓を使い続けたので、今日、フランセス・バーネットとして知られ > る。 > > ここで、フランセス・ホジスンが結婚した、スワン・バーネットいう名 > 前を読んで、どこかで聞いたことのある名だと思った。ファンタジー作 > 家に、そういう名前の人がいた記憶がある。しかし時代がだいぶ違って > いるのと、その作家は、考えてみて、トマス・バーネット・スワンだっ > たことを思い出した。この場合のスワンは、綴りが、Swann で、白鳥の > スワンとは少し違うが、音の上では、白鳥という意味である。 > > 白鳥というのは、日本人の姓で、そういうのがあったように思うし、名 > 前だと、正宗白鳥という文筆家がいた。しかし、トマス・バーネット・ > スワンというのは、ファンタシー作家として、ロマンティックで綺麗な > 名だとむかし思った。確か、妖精が出て来たり、神話的な存在が出てく > る作品の作者だったと思ったが、作品が思い出せない。アマゾンで調べ > て見ると、『薔薇の荘園』と『ミノタウロスの森』の二つしか訳本がな > い。 > > アマゾン・アメリカで調べて見ても、単行本としては、五、六冊しかな > い。寡作な作家である。『薔薇の荘園』は中編三篇を集めたもので、長 > 編作品ではない。『ミノタウロスの森』は、多分、長編だと思う。この > 作品に対応する英語の本は、The Forest of Forever と Day of Minotaur > の二つがあるが、どちらの翻訳なのだろうか。また、わたしは昔、森に > 住む若いミノタウロスを主人公としたファンタシーの本を部分的に読ん > だ記憶があるが、あれはトマス・バーネット・スワンのものだったよう > な気がするが、どうも英語の本の二冊とも、話が違っているように思え > る。誰か別の人の作品なのだろうか、と思う。(タイトル的には、The > Forest Forever ではないかと思うが、話が少し違うような感じがする)。 > > トマス・バーネット・スワンの名で思い出したのは、『最後のユニコー > ン』という作品であるが、多分、スワンの作品ではないだろうと思って > いたが、調べると、ピータ・S・ビーグルである。確かに、ピーター・ > ビーグルが作者だった。 > 何時頃のことだったか。ある出版社が、ファンタジーの現代・過去の傑 > 作を、ペーパーバックで発行していた。このシリーズは、表紙が非常に > 美しく、この絵を描いていた画家の画集を手に入れたはずである。非常 > に美しい画集で、特別な場所にしまっていたが、思い出すと、過去三十 > 年近く、見ていない。過去二十年間かも知れない。捨てたことはない筈 > なので、どこかにあると思うが、どこなのか。 > > 『小公女』のフランセス・エリーザ・バーネットに戻ると、バーネット > がこういう話を書いていた時代は、社会が暗い面を多数持っていたし、 > 今日に比較して、色々な面で不公平で、また厳しい時代であったと思う。 > しかし、貧しく厳しい時代であり、社会であったが、どこかに夢があっ > たとも思える。この「夢」というのは、「未知の土地」がまだまだ無限 > にあると、確信できた時代だということである。現代においても、実は、 > 「未知の土地」あるいは「未知の領域」は無限にあるが、人々も社会も、 > 「未知なること」に対し、関心を抱かなくなった時代のように思える。 > きわめて皮相な「現実主義」が横行している時代だと思う。 > > (それにしても、ピーター・ビーグルの『最後のユニコーン』のアマゾ > ンのページを見ていて、ふと、中古本価格を見てみて、驚愕した。文庫 > 本で、5700円から5800円もしている。単行本は、3200円ぐ > らいであるが、無茶苦茶に高いとも思う。この文庫本は、昨年10月末 > にオークションで、150円で落札したが、こんな値が付いているのか > と思う。このあいだ、ある知り合いに、何か面白い本はないかというの > で、『ジェニーの肖像』とか『愛はすべての上に』などを紹介したが、 > ダフネ・デュ・モーリアの処女長編である『愛はすべての上に』は、中 > 古品で、8千円から1万円の値が付いているので、そんな金額の本では > ない、と記しました。そこまで出して手に入れるほどの本ではないとい > う意味です。何か無茶苦茶な値が付いている)。 > > > ---------- > 添付画像 > 上の絵)ピーター・S・ビーグル『最後のユニコーン』表紙 > 下の絵)トマス・バーネット・スワン『薔薇の荘園』表紙 > > ビーグルの絵は、英語のペーパーバックの本の絵をそのまま転用してい > るようです。こういう絵で、ファンタシーのシリーズが出版されていた。 > 『薔薇の荘園』は萩尾望都の絵ですが、彼女の絵は、スワンの作品には、 > 似合わないと思う。 > > _ </FONT> >
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